メジャーSQとは?
一言で言うと、年に4回だけ訪れる、株式市場の「特別な大清算日」のことです。
この日には、多くの金融商品の契約が満期を迎え、それらを手仕舞うための売買が集中するため、株価が大きく動く可能性があります。
そもそも「SQ」って何?
SQとは「Special Quotation」の略で、日本語では「特別清算指数」と呼ばれます。 これは、株価指数先物やオプションといった金融商品(デリバティブ)の取引を、最終的に決済するために算出される「特別な決済価格」です。
サッカーの試合終了時のスコアのように、このSQ値という最終的な価格によって、各取引の損益が確定します。
なぜ「メジャー」と呼ばれるの?
SQには、規模の大きい「メジャーSQ」と、それ以外の「マイナーSQ」があります。その違いは、決済される商品の種類にあります。
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メジャーSQ 以下の3つの商品の満期日が重なります。
- 株価指数先物(例:日経225先物)
- 株価指数オプション(例:日経225オプション)
- 個別株オプション
特に、個別企業の株を対象とする③個別株オプションまでが決済対象となるため、影響範囲が広く、取引規模が非常に大きくなることから「メジャー」と呼ばれます。
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マイナーSQ ①株価指数先物と②株価指数オプションのみが決済対象の日です。
なぜ重要?市場への影響
メジャーSQの日は、投資家が固唾をのんで見守る特別な日です。
① 取引が集中し、株価が荒れやすい
満期を迎える大量の契約を「次の契約に乗り換える(ロールオーバー)」動きや、「値段のズレを狙って利益を出す(裁定取引)」といった専門的な取引が活発化します。これにより、売買代金が普段の数倍に膨れ上がり、株価の変動(ボラティリティ)が非常に大きくなる傾向があります。
②「魔の金曜日」という異名
こうした予測不能な値動きから、欧米では「Witching Day(魔女の日)」、日本では俗に「魔の金曜日」と呼ばれ、警戒されることがあります。
投資家はどう見ればいい?
デリバティブ取引を直接行わない個人投資家にとっても、メジャーSQは無視できません。
「相場が大きく動く可能性のある、お祭りのような日」と認識しておくことが重要です。必ずしも暴騰・暴落するわけではありませんが、予期せぬ値動きに巻き込まれないよう、その日は少し慎重に相場を見るのが賢明かもしれません。